日本基督教団 美浜教会

敷地面積

336.57m2 (101.81坪)

延床面積

217.86m2 (65.9坪)

施工

株式会社 佐久間工務店

本教会は、1979年に「千葉海浜伝道所」としてマンションの一室からはじまり、建替前の建物は1993年に購入した中古住宅を牧師館に、プレハブの倉庫を礼拝堂に改築して大切に使用されてきました。
築43年が経過した旧牧師館と、築24年が経過した旧プレハブ教会堂ですが、幸い東日本大震災による地盤の液状化による被害は免れましたが、床が傾きはじめ、プレハブ倉庫を購入し改築して使用してきた旧教会堂は床が傾きはじめ、雨漏りも生じている状況でした。

限られた資金での建て替えでしたが、礼拝堂を敷地の角に配置することで、地域の教会として街並みに貢献し、街へ解放され、地域に根ざした教会を目指しました。
集会室の大きな開口部は前面の広場(駐車スペース)へ面し、バザーやクリスマス等の催し時には地域と繋がります。
礼拝堂の大屋根は、集成材を一切使用せず無垢の流通材を用いて、手の指を重ねた「お祈り」のかたちを彷彿とさせる特徴的な架空の小屋組により空間を成立しています。
内部はその架空越しに降り注ぐトップライトからの光で満たされた「祈り」の空間となりました。
礼拝堂が受ける雨水は4カ所の構造控え壁が樋の役割も担い、雨水は目に見えるかたちで控え壁の側面を伝って大地に還ります。
建物は十分な断熱性能と繰り返しの大きな地震に耐える制震構造も付加し、万が一、液状化等で浸水した際の掃除のし易さに配慮して1階の床下には空隙を一切設けない設計としています。 
外壁には徳島産の焼き杉材を用いて、この街に馴染むように調合した耐候性塗料を施しました。
経年変化を味わいつつ街の記憶として時間を共有します。この教会がこの街のささやかな象徴となり地域に愛されることを願ってやみません。

建物は繰り返しの大きな地震に耐える制震構造を付加しています。

千葉市景観総合審議会主催【千葉市都市文化賞2021】建築文化部門にて優秀賞を受賞しました