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民・官 空しい穴





2008年7月9日

行政指導の事前調査のために、とある区庁舎に向かいました。
ここに来るたびに感じる空虚感は一体何か…

ここは税金を投じて建てられた100メートルを超えるタワービルディングですが、
100メートル余り続く目的不明な25層にも連なる吹き抜け空間があります。
そしてその吹き抜け空間をゆとりのある廊下が囲います。

民間の感覚では充分部屋として使いたくなる「もったいない」
意識をもってしまうこのスペースは、閑散としているため、
まるでテナントの決まらない空きオフィスのような空虚感が漂います。

執務空間に付随する活きた吹き抜けでもなく、
誰もいない回廊が囲む巨大な穴はその空しさを倍増させます…
皮肉にもその廊下の膨大な長さの手摺りを磨く清掃婦が2人通行したのみでした。

屋根のない屋外扱いのこの吹き抜けにより、
ビルのカーテンウォールの面積は3倍以上に膨らみ、
ここだけでも数億円の工事費用が増したであろうと予想します。
しかし誰に躊躇されることのないまま投じられる現実を感じました。

ぎりぎりのところで現実的なバランスを計らねばならない、
民間のビルであったら先ずあり得ないことです。
良くも「贅沢」に活きている吹抜でもない途方もなく無駄な空間です。

現実実を帯びないこの虚しさは、根本的な意志によらない、
体質という匿名性無責任さによる結果を暗示したものといえます。

官・民の感覚的な落差が生涯埋まるものではないという儚さを、
身をもって感じることができる場所です…