Home


AKIBA





2008年6月8日

その日の夕方は事務所のパソコンを買うために秋葉原にいました。
何気なくモニター専門コーナーに入ると、「秋葉原にて…」というニュースが画面で放映されています。
あまりに現実離れした事件なので視ているうちに半信半疑となり「秋葉」という場所柄、
ブラックドッキリ的なデモテープを流しているのかとも思いました。

その後、メインストリートの交差点を何気なく渡ろうとすると、そこは地面が広い範囲で湿っていました。
なにか空気の異様さを感じ自ずと鳥肌が立ちました。
報道カメラが何組かいるそこは、まさしく事件後4時間経過した現場でした。
居たたまれない感覚に陥りしばらく黙祷を献げる…


現実感覚が麻痺しているとしか思えないような、年々エスカレートしているストリートパフォーマンス。
白昼に起こった、このあってはならない『リアルな現実』は、日本で最もバーチャルな場所「秋葉原」
で起こりました。
これは日常という現実を忘れてしまっていることへの「警告」とも捉えられる事件ではないでしょうか。
欧米先進諸国では70年代以前から脱身体への警告ともとれるインスタレーションが行われてきました。

便利でキレイなオートメーション都市は、肉体という現実と精神を益々遠ざけようとします。
人が人として存在するべき価値やアイデンティティが見いだせない人間関係が希薄な社会。
人が人を人として扱わない政治や制度。
日常が引きこもりだったという身体感覚を失った犯人自身のリアルな身体は、
本能的にでもリアリティを渇望していたのかも知れません。


心からご冥福をお祈りすると共に、健全な世の中への回復を強く願いたい。